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© 水沢めぐみ/集英社・りぼん
© 矢沢あい/集英社・りぼん
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© 吉住渉/集英社・りぼん
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© 矢沢あい/集英社・りぼん
© 矢沢漫画制作所/集英社・りぼん
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『りぼん』編集長。1993年に集英社入社以来、一貫して『りぼん』『マーガレット』と少女漫画編集部に所属。矢沢あい先生、小花美穂先生など、数多くの漫画家を担当。ちなみに「トミーのくねくね横丁」の「くねくね」の由来は、1980年代に関西で放送されたバラエティ番組『夜はクネクネ』がお好きだったからだそう。
今年で創刊60周年をむかえる『りぼん』。
「250万乙女のバイブル」のキャッチで慣れ親しまれ、少女たちの胸をときめかせ続けている少女漫画雑誌だ。編集長の冨重実也さんに、『ママレード・ボーイ』『天使なんかじゃない』『ご近所物語』連載当時の思い出や、『りぼん』本誌の60周年企画の狙いなどをうかがった。
グッズ化は、読者の心に作品が残っている証
―― 『りぼん』には、昔から変わらない“『りぼん』らしさ”がずっとあるように思います。雑誌を作られるとき、そうしたことを意識されているのでしょうか。
冨重 『りぼん』は、女の子が初めて読む恋愛漫画雑誌だと思ってずっと作っています。小学校の4、5年生くらいの女の子って、なかなかクラスの男子をカッコいいと思えないはずなんです。そんな彼女たちが漫画の中で理想の男の子と出会って、「恋愛っていいな」「少女漫画っていいな」と思ってもらえる雑誌でありたい。そこはずっと変わっていないと思います。執筆作家さんたちも『りぼん』の愛読者が多くて、そうした方々が今の読者にむけて描いているところもあるんですよ。それも、“らしさ”のようなものが自然とでている要因のひとつかもしれません。
―― 今回、『りぼん』60周年のコラボ商品として、3つのアイテムが発売されます。最初にお話を聞いたとき、どのように思われましたか。
冨重 20年近く前の作品に目をつけていただいて、商品にしていただけるのは驚きでしたし、嬉しかったですね。こうしたグッズを懐かしいと感じてくださる読者の方がいるのは、本当に有り難いことだと思っています。大人になっても読者の心の中に、その作品が残っているという証でしょうから。
―― 復刻される『ママレード・ボーイ』の「ボイスメモ」は、当時大変な人気だったそうですね。
冨重 セロハンテープで銀の部分をはがす「銀はがし懸賞」という人気のコーナーがあって、当時そこで「ボイスメモ」のプレゼントをやったんですよ。そうしたら、なんと応募が40万通を越えたんです。バンダイの方が「懸賞でこれだけ応募があるのならば、相当の売れ行きが見込めるのではないか」と話されていたのを覚えています。漫画の人気は、小学校高学年の子たちが中心でしたが、アニメ版はもっと下の子も観ていたようです。「ボイスメモ」は、原作には登場しないアニメオリジナルのアイテムですが、彼女たちには入りやすいアイテムだったんじゃないかと思います。
『天ない』『ご近所』のメイキング秘話
―― 『天使なんかじゃない』の「天使の羽のネックレス」、『ご近所物語』の「ハッピーベリースライドミラーバッグチャーム」を、ご覧になってみていかですか。
冨重 当時、矢沢あい先生の担当をしていましたので思い出深いです。『りぼん』60周年の特設サイトのインタビューでも、先生ご自身に連載当時を振り返っていただきました。担当編集ならではの話をさせてもらうと、『天ない』がヒットして、次に『ご近所』を始めるときに、矢沢先生は画材をつけペンからロットリングという製図用のペンに変えられたんです。よりイラストっぽい感じを意識して描かれていた頃の作品ですね。
ちょうど同じ頃に、矢沢先生はMacintoshを導入されて、デジタルで描くことにも挑戦されていました。『天ない』のカラー扉から始まり、『ご近所』では基本的にカラー原稿は全部パソコンで描かれていました。1997年に出した『ご近所』の画集(『「ご近所物語」イラスト集―WELCOME TO THE GOKINJO WORLD』)はデジタルで全て入稿するという、当時としては画期的なやり方で作って、矢沢先生と印刷所の技術者の方と一緒に色の校正をしたことを覚えています。
―― 往年の『りぼん』読者の中には、冨重さんが担当されていた「トミーのくねくね横丁」(1993年9月号~1997年1月号)の“トミー”として覚えている人も多いと思います
冨重 そうですか(笑)。覚えてくださっている方がいるのでしたら光栄ですね。編集部に配属されて、すぐに担当した仕事でした。完全に企画を任せてもらえて、印刷直前になって初めて上司がみるという今だったら考えられない大らかさで、良い時代だったなと思います。このコーナーでは有名人のインタビューを掲載していて、第1回はテレビ局員の友達に紹介してもらった関口宏さん、第2回は私の大好きだった嘉門達夫さんに出ていただいたんですが、そこで初めて上司から「誰が読んでいるのか考えて人選しろ」と言われました(笑)。そこから人選は考えるようにしましたが、コーナーが終わる直前には江頭2:50さんに登場してもらったこともありました。60分の取材で『りぼん』に使える話は15分しかなかったですけど(笑)。そんな風に、好き勝手にやらせてもらっていた思い出しかないですね。
コミュニケーションツールとしての『りぼん』
―― 『りぼん』本誌で、柊あおい先生の『星の瞳のシルエット』新作読み切りが掲載されるなど、往年の読者向けの60周年企画が多く見うけられます。今回のアイテムと同じような方向性を感じますが、どのような狙いでやられているのでしょうか。
冨重 おっしゃる通り、かつての『りぼん』読者の方にも読んでいただけるように、60周年は色々と仕掛けさせていただいています。その理由のひとつは、『りぼん』はお母さんと娘が一緒に読んでいる傾向があるからなんです。お母さんが娘のために買っているケースもかなり多くて、サイン会にも親子で一緒に来られて「私も読んでます」と言ってくださる方も少なからずいらしゃって。母子のコミュニケーションツールのひとつになっているようなんです。
―― 親子で一緒に楽しめる雑誌というのはいいですね。
冨重 『ママレード・ボーイ』や『ご近所物語』の読者だと、お母さん世代にはまだちょっと早いかもしれないですけどね。実は『りぼん』は、50周年のときには、ほとんど何もやっていないんですよ。この10年間の漫画をめぐる状況の変化のなかで、単なるお祭りではなく、これから65年、70年と続けていくための盛り上げとしての60周年にできればと思っています。
―― 最後に、大人になった今も『りぼん』が大好きな読者に一言いただけますか。
冨重 「本当に有り難うございます。これからも宜しくお願いします」と申し上げたいです。とともに、60周年をきっかけに『りぼん』を読んでいた子どもの頃を思い出して、また少女漫画の世界に入ってきていただければなと思います。今の少女漫画も昔に負けず面白いものが沢山ありますので、ぜひ手にとって読んでいただけると嬉しいです。